2012年4月の読書まとめ

4月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:2929ページ
ナイス数:6ナイス

砂の女 (新潮文庫)砂の女 (新潮文庫)
これまで読んだ安部公房作品のなかで、ラストでいちばん感動というか、じわっと来た作品。もちろん他の作品同様、現実と非現実の境目が曖昧だったり、不条理な部分はあるのだけど、何となく最後に(ハッピーエンドとは呼べないにせよ)落ち着くべきところに話が収斂していったようだ。
読了日:04月30日 著者:安部 公房
ロードバイクQ&A 今さらきけないソボクな疑問ロードバイクQ&A 今さらきけないソボクな疑問
「やまめの学校」など、一般的に言われている話からは逸脱する部分もあるようだが、オーソドックスな路線にもきちんと目配りしつつ話を進めているところが誠実だと思う。『栗村修の気楽に始める…』とテイストは違うが(本書の方が情報量は豊かである)、どちらも好著。
読了日:04月28日 著者:高千穂 遙
箱男 (新潮文庫)箱男 (新潮文庫)
かぶりたくなるね、これは。危険危険。
読了日:04月28日 著者:安部 公房
栗村修の気楽にはじめるスポーツバイクライフ栗村修の気楽にはじめるスポーツバイクライフ
#jspocycle J Sportsのサイクルロードレース中継の解説をしている著者に親しみを感じる人は是非読むべきだと思う。初心者がロードバイクに関する情報を得るというだけの目的なら、別にこの本でなくてもいいと思うが、著者のキャラクターが随所に表れていて(それが有益だとは言わないが)楽しく読める。
読了日:04月25日 著者:栗村 修
動員の革命 - ソーシャルメディアは何を変えたのか (中公新書ラクレ)動員の革命 – ソーシャルメディアは何を変えたのか (中公新書ラクレ)
ソーシャルメディアの特性を過不足なくまとめていると思う。本書には出てこないが、効力感(または有能感、self-efficacy, sense of efficacy)という言葉を思い浮かべた。ソーシャルメディアが市井に生きる人間の、そういう感覚・意識を(空虚でない形で)高めると良いだろうなと思う。その一方で、本書を読んでいて一貫して抱き続けてきた違和感のようなものはあるのだが、それは今の社会に対する違和感であって、本書や著者だけに帰すべき責任ではないのだろうと思う。
読了日:04月24日 著者:津田 大介
君のいない食卓君のいない食卓
読了日:04月23日 著者:川本 三郎
復活の日 (ハルキ文庫)復活の日 (ハルキ文庫)
救世の英雄を登場させないところが作者の真骨頂か。「誰かがやらねばならず、誰もが指名を拒否しないならば、だれがとりたててえらばれたものの勇敢さをうたうだろう?」 ネタバレにはなるが、ある意味、この小説ではすべてが失敗するのだ。災厄の張本人でさえ、そのことを自覚していないし、その身が守られているわけではない。
読了日:04月20日 著者:小松 左京
安部公房全作品〈3〉 (1972年)安部公房全作品〈3〉 (1972年)
『飢餓同盟』『けものたちは故郷をめざす』『R62号の発明』収録。小説のタイプは実に多様だが、現実/非現実が揺らぐ感覚は共通しているように思う。
読了日:04月17日 著者:安部 公房
スプーンと元素周期表: 「最も簡潔な人類史」への手引きスプーンと元素周期表: 「最も簡潔な人類史」への手引き
良い意味で人間味あふれる化学史/科学史になっているので、元素名索引だけでなく人名索引も付けてほしかった。しかしこの本、ボリュームたっぷりで消化しきれないかも……。
読了日:04月13日 著者:サム キーン
第四間氷期 (新潮文庫)第四間氷期 (新潮文庫)
確か中学1年のときに「SFの名作」という位置づけで読んだはず。当時、何を理解していたのかなぁ。安定していると思い込んでいた日常が揺らぐ感覚は、SF的な設定ゆえに他の作品よりも鮮明に感じられる。それにしてももう一人の「私」はその後どうなったんだろう……。そういえば、冒頭がいきなり大津波の予兆で、ちょっとびびりました。
読了日:04月03日 著者:安部 公房

2012年4月の読書メーターまとめ詳細
読書メーター

象徴としての全原発停止

大飯の再稼働に至らず稼働している原発がゼロの状態になったとしても、もとから消費電力が少ない季節なのだし、脱原発派としても「ほら、原発がなくても電力は足りているではないか」とは言いにくい。そもそも危険かつ厄介な存在はそこに厳然として残っているのだから、全原発停止は通過地点でしかない。核廃棄物の問題はしばらく措くとしても、全基廃炉が決定されるくらいでなければ、脱原発派にとって大きな成功とは呼べないだろう。

逆に言えば、推進派が、この季節に「原発を稼働させなければ電力が足りない」と主張するのは説得力がないわけだが、一方で、全原発が停止したとしても、推進派にとっては決定的な敗北ではない。にもかかわらず、大飯再稼働にここまでこだわるのは、「全原発停止」という事態にきわめて象徴的な意味での敗北感をあらかじめ抱いているからだろう。

唐突な連想と思われるかもしれないが、なんかここでふと、せめて1基でも原発を稼働させておきたいというのは、かつての「国体護持」みたいなものかなぁなどと思っていたりする。

別に電力需給の面では問題なく、原発維持よりも再生可能エネルギーに注力する方が実は各方面の懐が潤うにもかかわらず(再生可能エネルギーだって政治家や官僚が真剣に取り組めば、いくらでも利権や天下り先を作り出すことは可能でしょう)、なんか「それ」がなくなったら自分たちのすべてが失われてしまうような、そういう妄想にとらわれている人たちがいるのではないか。

そんな気がする。

iPad2を購入しました

土曜日にiPad2を購入しました。

「新しいiPadが発売された今、なぜiPad2?」という疑問は当然あるでしょう。しかもWiFi+3G回線、容量は16Gという「真剣に活用する気あるのかオマエ?」と言われそうな仕様(意見の分かれるところでしょうが、私としては今のところ、なるべく大容量かつWiFiオンリー+モバイルWiFiルータ持ち、というのが最善ではないかと思っています)。

なぜそういう買い物をすることになったのか。

そもそも我々が(バージョンはさておき)iPadを購入しようと思ったのは、これがITに馴染みの薄いシニア向けの端末として最強であろうと判断したからなのです。詳しくは書きませんが、近親者にそういう人がおりまして、今さらパソコンを覚えるのはハードルが高いとしても、最低限、災害時などの連絡手段として、また仕事柄、調べものの多い人なのでウェブ検索の用途に限定してでも、これなら使えるんではないか。

そしてお勧めするにあたって、自分たちが先に所有して使えるようになっていないと設定もお手伝いしにくいので、まずは我が家で買っておこう。

タブレット端末としては、私自身が使うんであればAndroidタブレットにしようかと思っているんですが、このような趣旨であれば、やはり周囲に使っている人が多いiPadの方が、何かのときに我々以外の人からもアドバイスを得られるという点で便利でしょう。自分で使うには上述のようにWiFiオンリー+モバイルWiFiルータという組み合わせが良いとしても、ITに慣れない人にとって、少しでも操作する機器は少ない方がいいだろうから、3G回線もあった方がいいかな…。

自宅用に1台買った場合、何に使うかと言えば、たぶんいちばん活躍するのは、部屋で飲みながらラグビーだの自転車ロードレースだの観ているときではないかと思うのです。自転車ロードレースのスタートリストやらコースマップやら、あるいはラグビーの選手データなどなど、ウェブを参照したくなることはしょっちゅうなのですが、PCをテーブルに持ってくるのはいかにも邪魔だし、かといってスマートフォンでは画面も小さいし二人で一緒には観にくい。そういうときこそタブレットが良さそうな印象です(まぁこういう「部屋飲みのお供」用途であれば、WiFIオンリーで何の問題もないわけですが)。

だいぶ前からそのようなことを考えてはいたのですが、たまたま土曜日の夜にその親族に会う予定があり、ソフトバンクショップに立ち寄る余裕もあったので、購入に踏み切りました。上述のような用途なので、別に最新機種であるとか、画面が美しいとか、そういう要素は重視しませんでした。単に、「在庫があってお持ち帰りできるもの」というだけの条件(笑) そうしたら、冒頭に書いたようなモノになったわけです。きちんと考えて購入する人から見たら、何という思慮の浅い無駄な買い物のように思われるかもしれませんが。

まだ短時間とはいえ使ってみた印象としては、仕事でしっかり使っているようなPCの代替にはならないとはいえ、たいていの用途としてはもうコレで十分だろう、という気はします。電子書籍リーダーとして通勤電車のなかで使うには…座れればいいんですけど、立って片手で読むには、少し重い印象があります(まだ試していませんが)。

もっとも、土曜の夜に件の親族に見せた感触としては、あまり興味を惹かれるという反応ではありませんでした。もし使ってくれそうなら、日頃いろいろお世話になっている方でもあるので、通信料金も我が家持ちで、1台プレゼントしようか、などと考えているのですが。

2012年3月の読書まとめ

3月の読書メーター
読んだ本の数:9冊
読んだページ数:2547ページ
ナイス数:18ナイス

期間限定の思想  「おじさん」的思考2 (角川文庫)期間限定の思想 「おじさん」的思考2 (角川文庫)
これまた文庫版を買ったのを機に再読。単行本版のあとがき(文庫版にはこちらももちろん収録されている)には「この本は期間限定であって賞味期限は数年」とあり、文庫版のあとがきには「コンテンツの賞味期限が切れてもリーダブルである書物の条件とは何か」ということが書かれていて、時間の経緯が感じられて興味深い。もちろん、この本は「賞味期限が切れてもリーダブル」であると思う。第一部の「女子大生との会話」仕立てはちょっとわざとらしい感じがあって、あまり気に入らないのだけど。
読了日:03月31日 著者:内田 樹
榎本武揚 (中公文庫)榎本武揚 (中公文庫)
いちおう歴史小説ではあるのだけど、安部公房らしいわけのわからなさ。問いかけは茫漠と宙に浮き、答えはもちろん得られない。それが物足りないと感じるか心地よいと感じるかは読み手次第だろう。苅部直『安部公房の都市』を購入したのをキッカケに、同書を読む前に、そこで取り上げられている作品を読んでおこうと続けさまに安部公房の作品を読んでいるのだけど、しかしこの作品は「都市」という切り口とはさほど縁がなさそうにも思うのだが、どう扱われているのか今から興味深い。いちおう維新期の江戸は出てくるけど…。
読了日:03月30日 著者:安部 公房
未来への提言―福島みずほ対談集未来への提言―福島みずほ対談集
対談相手の一人がウチダ先生なので読んでみたが、その部分については彼のいつもの話なので新鮮味はなし。社民党の党機関誌に掲載されたものなので、党のプロパガンダという雰囲気はもちろんあるのだけど、それはさておき結構面白かった。この本自体は昨年秋の出版だが、確か最初の二編を除いて震災前の対談。鎌仲ひとみさんとの対談で、福島みずほが「別に原発を今すぐ全部止めろとは言いません」という趣旨の発言をしていて、「おお、この頃はまだ社民党でさえ切迫感がなかったんだなぁ」となんだか感慨深い(?)。
読了日:03月26日 著者:福島 みずほ
犠牲のシステム 福島・沖縄 (集英社新書)犠牲のシステム 福島・沖縄 (集英社新書)
両方とも関心の高いテーマなのであっというまに読めた。「天罰/天恵論」の考察はちょっと脱線かなと思いつつ読み進めたのだけど、きちんと収束していくところが興味深い。原発の「四つの被害」、事故の責任の冷静な区分、後半の在沖米軍基地の問題とも絡めて、民主主義がはらむ危険など非常に参考になる部分が多い。
読了日:03月21日 著者:高橋 哲哉
燃えつきた地図 (新潮文庫)燃えつきた地図 (新潮文庫)
謎が解明されていくのではなく、どんどん深まっていくハードボイルドといった趣。読者もこの世界から戻ってこられない。
読了日:03月17日 著者:安部 公房
笑う月 (新潮文庫)笑う月 (新潮文庫)
安部公房は子どもの頃に「SF」という位置づけで『第四間氷期』『人間そっくり』あたりを読んで以来。この短編集は、食事どきや寝る前に読むには不向きだが、特に冒頭の『睡眠導入術』や『空飛ぶ男』など、夢と現実の境目が分からない作品はとても良い(というか怖い) 続いて『燃えつきた地図』に移りつつ、苅部直『安部公房の都市』を少しずつ読み進めようかと思う。
読了日:03月13日 著者:安部 公房
「おじさん」的思考 (角川文庫)「おじさん」的思考 (角川文庫)
文庫版を新たに入手したので、就寝前に少しずつ再読。単行本の方が出版されたのは10年前だが、内容はほとんど古びていないような気がする。もちろん、著者の主張は本書から少しずつ変化してきてはいるのだろうけど。出家の勧めが良かったなぁ。むろん、漱石論も。
読了日:03月13日 著者:内田 樹
図解・気象学入門 (ブルーバックス)図解・気象学入門 (ブルーバックス)
「気温のしくみ」くらいまではすらすらと分かったが、「風のしくみ」から低気圧・高気圧などの話になるに従って難解に。気圧傾度力・コリオリ力・摩擦力のベクトル合成のあたりで躓いたのが原因か。それにしても、ミクロな分子規模の話からマクロな地球規模の話まで、視点がダイナミックに動くのがこの分野ならではという感じ。
読了日:03月10日 著者:古川 武彦,大木 勇人
自由貿易は、民主主義を滅ぼす自由貿易は、民主主義を滅ぼす
あまり話題に上らなくなってしまったTPPだが、「○○の弊害があるからTPP反対」というのも大事だけど、「今の局面では保護主義の方が優る」という論点は建設的でよいと思う(いわゆる「対案」ね・笑)。理由は本書などを読めば分かる。「協調的保護主義」という発想は新鮮だった(「互恵的」と呼ぶ方がより適切だろうか)。トッドの著書は『帝国以後』しか読んでいないが、他も読んでもいいかもしれないと感じた。
読了日:03月03日 著者:エマニュエル・トッド

2012年3月の読書メーターまとめ詳細
読書メーター

2012年2月の読書まとめ

2月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:2266ページ
ナイス数:28ナイス

文庫 銃・病原菌・鉄 (下) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)文庫 銃・病原菌・鉄 (下) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)
下巻も無事に読了。さすがに同じことの繰り返しもあるので少しダレたけど、見方を変えれば、それだけ一貫性があるということで。パプアニューギニアとかアフリカの話になるとさすがに地理的な知識も乏しいので、Google Mapなど見ながら読むといいかもしれない。視点のズームイン/アウトにも追従できるし。その意味ではこれも電子書籍としてタブレット端末で読むのに向いている本かもしれないなぁ。
読了日:02月29日 著者:ジャレド・ダイアモンド
銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎
これは面白いね。びっくりするようなことは特に書いてないんだけど、なるほどと納得する。そして、著者の分析に仮に間違いがあったとして(まぁあるんだろうけど)、しかしこれを鵜呑みにするとしても、それほど不都合な行動はもたらされないだろうという気がする。引き続き下巻へ。
読了日:02月23日 著者:ジャレド ダイアモンド
俺に似たひと俺に似たひと
著者もあとがきで軽く示唆しているように、もっと辛く長い介護の例はいくらでもあるだろう。この作品で語られているのは、たぶん客観的に見れば平凡な老衰による死に至る、比較的恵まれた状況での介護である。しかし、だからこそ、心に染みる物語になっているような気がする。ウェブでの連載はすべて読んでいたのだけど、小田嶋隆による帯文「ぜひとも通しで読みたいです。紙で。なぜだろう」に共感する。そして、著者自身も大いに気に入っているようだが、挿画がすばらしい。挿画で泣ける本は珍しいのではないか。
読了日:02月15日 著者:平川 克美
The Age of Diminished ExpectationsThe Age of Diminished Expectations
最初に邦訳を買って長年放置。ふと思い立って文庫版を図書館で借りて読み始めたのだけど訳がひどいので、これまた前に購入して放置してあった原書を読んだ。読みやすく明快なのだけど、さすがに古い感じがする。この本が書かれてから何が起きたかと言えば、経済中心に見ても、ユーロ誕生、9.11、アフガニスタン/イラク侵略、中国の台頭、リーマンショック……。このあたりを踏まえた続編が読みたい気がする。まぁ今も健筆をふるっている著者なのだから、いくらでも新しい著作はあるのだろうけど。
読了日:02月15日 著者:Paul Krugman
コザックコザック ハジ・ムラート
この作品がトルストイの文学のなかでどういう位置づけにあるかなんてことは実のところそれほど重要ではなくて、何となく、靴の下で枯れ枝がぱきぱき折れる音が耳に残っているような気がする、というのが重要なのだ(いや、そんな場面があったかどうかさえ定かではないけど、何となくそういうイメージで)。それにしても、日常の些細な情景から、物語全体が想起される『ハジ・ムラート』の構成はかっこいいよな……。
読了日:02月13日 著者:辻原登
地下鉄のギタリスト―Busking in London地下鉄のギタリスト―Busking in London
ロンドンの地下鉄でbusker(街頭ミュージシャン)として活躍している日本人ギタリストの日常。今日はどこの駅で演奏し何ポンド稼いだか、そしてどんな出来事があり、何を思ったのか。それぞれのエピソードに筆者が「BGM」を指定しているのが面白い(必ずしもその日に筆者が演奏した曲とは限らない)。音楽(特にロック/ポップス)が好きな人なら読んで損はない本だし、それほど音楽に関心のない人にとっても、かの地の文化や雰囲気がしみじみと伝わってくる好著だと思う。
読了日:02月06日 著者:土門 秀明
困ってるひと困ってるひと
内容の大切さという点はもちろんあるのだけど、それ以前に(といっていいのか?)、たいへん頭のいい、しかも文章の上手い著者なのだ。文体は今どきの若者なのかもしれないけど、それほど抵抗なく読めるのは、バックボーンとして著者がしっかりした文章をたくさん読んでいることが窺えるからかもしれない(もちろん私はフランス文学出身者に点が甘い)。「共感する」にはあまりにもエクストリームな境遇だし(←影響が…)、「同情する」ことを著者が求めているわけでもない(たぶん)。でも私は読者としてこの本に「反応する」。
読了日:02月01日 著者:大野 更紗

2012年2月の読書メーターまとめ詳細
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2012年1月の読書まとめ

毎月これを記録しておこうとか思っていると、結局挫折したりするんですが……。

先月のヒットは『なぜ私だけが苦しむのか』ですね。『反哲学入門』もかなり面白かったです。

1月の読書メーター
読んだ本の数:9冊
読んだページ数:2591ページ
ナイス数:19ナイス

小商いのすすめ小商いのすすめ 「経済成長」から「縮小均衡」の時代へ
著者の本はすべて読んでいるファンとしてこんなこと書きたくはないのだが、ちょっと期待外れ。内容としてはいちいち頷くことばかりだし、こういう本がよく売れているというのはとてもいいことだと思うのだが、なんだか、とても読みやすいのだけど「ゆるい」感じがしてしまう。ふだんはもっと骨太さと切れ味の両立した文章を書く人であるように思う。これまでとは違う「ですます」調の文体が、(少なくとも私という読者に対しては)むしろマイナスに作用してしまったか。いや、いい本なんですよ、すごく。でも物足りないな~。
読了日:01月28日 著者:平川克美
ベストセラー炎上ベストセラー炎上
6点の本/著者が取上げられているのだけど、私はベストセラーだからといって本を手に取るタイプではないので、自分が読んだことのある本2点のみ(村上春樹『1Q84』、内田樹『街場のメディア論』)の部分だけ読んだ。「飛ばし読みだからよく分らないけど」(西部)というスタンスで批評(?)している。その点に、この本のすべてが言い尽くされている。この本で批判されているということは、逆に、他の4点も良書ということなのかもしれない。
読了日:01月28日 著者:西部 邁,佐高 信
はてしない物語はてしない物語
中盤まで(読んだ人にはどの時点までかすぐ分かるでしょう)かなり引き込まれて読んだけど、その後ちょっとダレた感じでペースが落ちた……。良い本だとは思うのだけど、いろいろ詰め込みすぎて散漫になった印象があるなぁ……。
読了日:01月22日 著者:ミヒャエル・エンデ
反哲学入門 (新潮文庫)反哲学入門 (新潮文庫)
哲学史の入門としてはよくまとまっていると思う。ただ、特に理性主義に対する反発の部分は、やや感情的というか、日本の哲学界に対する私怨のようなものがあるのではないかと感じてしまう。まぁそれもまた、名物教授の雑談混じりの講義を聴いているようで良い味とも思えるが。著者はニーチェ以降をそれまでの哲学と一括りにして哲学史のなかに位置づけることに否定的だが、「存在」をどのようなものと捉えるにせよ、「言葉」を介して「存在」を思索するという限りにおいて、(続く)
読了日:01月18日 著者:木田 元
最終講義-生き延びるための六講 (生きる技術!叢書)最終講義-生き延びるための六講 (生きる技術!叢書)
表題作(?)でもある「最終講義」は、雑誌「文学界」掲載時にすでに読んでいたのだが、読み返しても感動的だった。あとは、やはり教育関係の講演が良い。ユダヤ学会での講演は、『私家版・ユダヤ文化論』にはけっこう感銘を受けた覚えがあるわりには、今ひとつピンとこなかった。
読了日:01月14日 著者:内田 樹
いちばんやさしいネットワークの本 (技評SE選書)いちばんやさしいネットワークの本 (技評SE選書)
このレベルの話ならだいたいは分っているので、主として「社内なんちゃってシステム管理者」の後継者養成に向けて「どう説明するか」を模索するために読んだが、それでも「あ、そうだったのか」と気づかされる点もあった(笑)(←このへんが「なんちゃって」の悲しさ)。先日読んだ『小悪魔女子大生の……』よりはるかに読みやすく、しかも情報量は多い。「おわりに」の「IT業界で働くエンジニアが幸せになったとき、本当の意味で、ITが人を幸せにする世界が実現すると信じています」という言明は、良い意味で文系出身者っぽくていいな。
読了日:01月12日 著者:五十嵐 順子
ゴーストタウン チェルノブイリを走る (集英社新書)ゴーストタウン チェルノブイリを走る (集英社新書)
人間がこれまでに生み出したもののうち、最も長く残るのはプルトニウムなのだ。残念ながら。
読了日:01月10日 著者:エレナ・ウラジーミロヴナ・フィラトワ
なぜ私だけが苦しむのか―現代のヨブ記 (岩波現代文庫)なぜ私だけが苦しむのか―現代のヨブ記 (岩波現代文庫)
もう少し癒やし系の本かと想像していたら、実にエキサイティングで知的刺激に富む本だった。もちろん、癒やしや感動の要素もあるのだけど。石原慎太郎は昨年の震災・津波について「天罰」発言をしたが、この本の著者はこう書く。「保険会社は地震やハリケーン、その他の自然の災害を『神の行為(Act of God )』と表現しています。(中略)私にとって、地震は『神の行為』ではありません。神の行為というのは、地震が去った後で生活を立て直そうとする人びとの勇気のことであり、被災者を助けるために自分にできることをしようと(続く)
読了日:01月08日 著者:H.S. クシュナー
民族とネイション―ナショナリズムという難問 (岩波新書)民族とネイション―ナショナリズムという難問 (岩波新書)
明快な結論や展望が提示されるでもなく、著者自身も認めているように雑駁な印象は拭えないけど、そのこと自体が、問題そのものが簡単にまとめられない性質であることを物語っている。問題に対する解答を与える本ではなく、問題がどこにあるのかを説明するような本。勉強になる。
読了日:01月03日 著者:塩川 伸明

2012年1月の読書メーターまとめ詳細
読書メーター

昨年(2011年)の読書まとめ

昨年に続いて、「読書メーター」による2011年の読書まとめです。

2010年以上に本を読んでいない……まぁ単に冊数を比較すればという話ですが。読了日を追っていくと、やはりというか、3月に読書量ががくんと落ちている気がします。まぁスピノザという難関を抱えていたせいもありますが。結局『デカルトの哲学原理』は読了しなかったのかなぁ……。

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